膣は使っていないと廃用性萎縮が起こるのですが・・・知ってますか?

私たちは男も女も、チツのことを知らなすぎるのではないか―一人の女性編集者が立ち上がった。その研究の成果とは。

 

「よくまあ、こんなことまで書いた、あまりにも恥知らず、と思う方も多いかもしれません。それでも、専門家の方に取材をし、自分自身で実践したことは必ず役に立つ。そう確信したからこそ、恥を承知で、すべてを明らかにしました」

 

こう語るのは、先月、『ちつのトリセツ 劣化はとまる』を上梓した径書房編集者の原田純さん(62歳)だ。彼女は同書で、女性にとっても神秘の器官「膣」の実態に迫り、膣のケア方法を体を張って実践している。

 

 

あまりにもキャッチーなタイトルとは裏腹に、内容はいたってマジメな本であり、カバーには、「明るく、まじめにご利用ください。男性のお客様は、間違った期待をなさらないでください」と注意書きされているくらいだ。

 

執筆のきっかけは同書の指導・監修を務めた助産師のたつのゆりこ氏から、膣のイロハを教わったことだという。

 

「たつの先生に出会う前は、私も膣を顧みることはありませんでした。そもそも私たち日本人女性は性に対して無知であることが上品という潜在意識があります。

 

品位を保つことと無知であることはイコールではないのに、日本人女性は自分の身体の一部である膣のことは、ほとんど知りません。

 

そのため、多くの日本人女性が自分の膣に対して、わけの分からない不安を抱えています。セックスをしても全く気持ちよくなれないのは、自分のせいだと思い込んだり、逆にパートナーが悪いからだと決めつけてしまったり……。まずは膣のことを知らなければならないんです」

 

女性は性に貪欲であることがタブー視されるのに加え、同じ性器でもプランプランとぶら下がっていて、男児なら誰もが四六時中触ってしまうペニスと膣では全く事情が異なる。

 

女性が自分で膣内を確認するためには、股を大きく広げ、鏡で見なければならない。そんなこと、まあ普通はやらない。だから女性にとっても膣はミステリアスな存在。その洞穴には数多くの神秘が隠されているのだ。

 

「膣は使っていないと廃用性萎縮が起こります。
分かりやすく言うと、運動しないと身体のあらゆるところの関節が固まりますが、
あれと同じことが膣にも起こる。使わないと身体は鈍って劣化しますよね。膣も同じなんです。

 

だから、セックスまたはマスターべーションで、女性ホルモンを多く分泌してケアしてあげることが大切。
セックスは相手が必要なので、難しい点もありますが、マスターベーションならいつでもできるはず。
それもしていないとなれば、劣化して当然です」

 

産婦人科医の早乙女智子氏だ。

 

 

膣や外性器は粘膜なので、潤いが失われると、当然干からびる。
熱いセックスやマスターベーションに伴う愛汁で膣の定期メンテナンスを行っているのであれば問題はない。

 

しかし、そんな人は決して多くはない。

 

本の著者である原田さん自身も20年以上のセックスレスで、マスターベーションも数年やっていないという枯れっぷりだった。

 

「私はもう60歳も過ぎているし、『そういうことは卒業した』と周りに言っていましたが、本音を言えば、いい人がいたらセックスをしてみたい、セックスぐらいしようと思えばいつでもできると思っていましたね」

 

しかし原田さんの根拠のない自信は数十年振りに果たした膣とのご対面で、脆くも崩れさる。

 

鏡でじっくり観察してみると、確かに間違いなく、原田さんの外性器は小さくなっていた。昔はふっくらぽってりしていた大陰唇はいつのまにか厚みを失って、ぺったり、のっぺり。大陰唇の奥の、肉厚の花びらのようだった小陰唇も、厚みを失い、小さく縮こまってクシュっとなっている。

 

長年、ほったらかしにされていた原田さんの膣は完全に枯れ果てていた。膣内に指を入れるのも痛くて難しいほど、硬く、カラカラになっていたという。前出の松峯氏が語る。

 

「50歳を過ぎ、更年期後期に差し掛かると、女性ホルモンの減少が顕著になってきます。女性ホルモンが少なくなってくると、膣の粘膜がどんどん薄くなり、潤いもなくなっていく。そうすると、ちょっとこすれても血が出るようになったりして、膣に指を入れるのにも痛みが走る。快感なんて言ってられなくなります」

女性編集者が猛反省…チツは放っておくとどんどん「劣化」する

膣が乾いたり、硬くなると、セックスに支障をきたすだけではない深刻な症状も引き起こす。

 

膣は筋肉の一種であり、その膣が硬くなっているということは、骨盤内の筋肉がすべて同じ状態になっているということでもある。その骨盤底筋の衰えによって起こるのが、骨盤臓器脱だ。原田さんが言う。

 

「骨盤内にある膀胱や子宮、直腸といった臓器が下がってきて、膣壁もろとも膣口から出てきてしまう女性特有の疾患です。

 

『女性のヘルニア』とも呼ばれています。最初に体外に出てくるのは膀胱が多いと言われています。ただ、その出てきた膀胱を体内に戻す手術をしても、次は子宮が下がってきたりして、もう一度子宮を持ち上げたり切除したりする手術をしなければならなくなる」

 

知らず知らずに膣の劣化は進む。それでもやはり鏡で膣内をマジマジと観察したり、指を突っ込んで膣の状態を確認するという女性は少なく、そうした「はしたない」行為にはどうしても抵抗を持ってしまうそうだ。ただ、膣以外にも膣の状態を知り得る箇所がある。お尻だ。原田さんがこう解説する。

 

「たつの先生が、男性は女性のお尻を見て女性器の良し悪しを判断することができると言うくらい。膣が冷えて硬くなると、骨盤底筋も衰え、お尻の形に影響が出る。お尻の肉が垂れてきて臀部のふくらみが失われ、へこんでくるのです。そんな『エクボ尻』の女性が増えているそうです。

 

一方、あたたかく潤った膣を持つ女性のふっくらとした丸いお尻、いわゆる『ハート尻』は少なくなってきている」

 

siri

 

 

どんな方法でもいいので放っておかずに、女性は自分の膣を知ることが大切だと原田さんは言う。

 

「自分の膣の状態を知れば、そのあまりの惨状に打ちのめされることもあるでしょう。でも現実を受け入れれば、戦略を練ることができるんです」

 

「週刊現代」2017年4月22日号より引用

ちつのトリセツ―劣化はとまる たつの ゆりこ【指導・監修】/原田 純【著】

内容説明
遅かれ早かれ、ちつはかならず劣化します。問題か起きてもお取り換えはできませんので、メンテナンスを怠らないようにしてください。

 

目次
第1章 女性器について知る―女性は、すべての穴をケアしなければならない
第2章 女性器劣化はこうして起きる―あなたの膣は、大丈夫ですか?
第3章 劣化によって起こる諸問題―女性器がおとろえるとどうなるの?
第4章 セルフケアについて知る―準備するもの
第5章 セルフケア実技編―さあ、やってみよう!
第6章 体験レポート―衝撃の連続!ここまで変わる

 

著者等紹介
たつのゆりこ[タツノユリコ]
1960年、鹿児島県生まれ。助産師・鍼灸師・看護師。北里大学病院(産科新生児室)、日大板橋病院(産科/ICU・CCU)、山西助産所など、大学病院から助産院、自宅出産介助まで幅広い業務経験を持ち、東洋医学、アーユルヴェーダの知識を活かして活躍。現在、「Be born助産院・産後養生院」院長

 

原田純[ハラダジュン]
1954年、東京都生まれ。編集者。15歳で和光学園高校中退。1980年、長女出産。印刷会社に勤務ののち、職業訓練校で学び、版下製作会社に勤務。1989年、径書房に入社。現在、径書房代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

 

出版社内容情報
欧米では「ちつケア」は常識。ケアしないと、ちつは劣化し、女性特有の不調の原因になります。ケアの方法・ケアの体験談を紹介。「欧米やインドでも、ちつケアは常識! ほったらかしにしているのは、日本人女性だけなんです。原田さんのちつだって、もしかしたらカチカチになっているかもしれませんよ!」

 

 

 

これまで1,000人以上の女性の出産介助や産後ケアに携わってきた助産師・たつのゆりこさんから、初めて会った日に、そう指摘された編集者・原田は、「まさか、そんなこと、あるはずない!」と思いながらも不安に駆られ、たつのさんのもとに通い、女性器について学び始めます。

 

女性器は、なぜおとろえるのか。

 

  いまなぜ、若い人にも、女性器のおとろえが広がっているのか。

 

  健康な女性器と、おとろえた女性器は、どこが違うのか。

 

  女性器がおとろえると、どんな問題が起きるのか。

 

  どうしたら、女性器のおとろえを予防できるのか。

 

  どうしたら、女性器を若返えらせることができるのか。

 

 

 

たつのさんは言います。

 

「日本人女性は、自分の体のことなのに、女性器のことを知らなすぎます。世界中の女性がきちんとケアしているのに、日本人女性は、ほったらかし! そんなことでは、ダメなんです! ちつは、きちんとケアしないと、若いうちから、たるんだり、乾いたりして、最後には干上がってカチカチになってしまうんです! そのままにしていたら、萎縮するんですよ! 萎縮!

 

女性器の黒ずみやにおい、尿もれや便秘、生理痛や性交痛、難産だって、女性器のおとろえが原因で起きていることが多いんです。それらはみな、ちつがおとろえていることを示す危険信号なんですよ!」

 

 

 

たつのさんに、あきれられたり、しかられたりしながら、授業を受けるようにして、女性器について学んだ原田は、自分の体の大切な一部なのに、自分がいかに女性器について無知だったかを知って呆然。

 

「私にはちつなんてありません」と言わんばかりのすまし顔で、自分の女性器を見ることも、さわることもなく、まさに、ほったらかしで生きてきたのです。

 

 

 

その結果、原田のちつは、たつのさんが言うとおり、カチカチを通り越してカッチンカッチン。

 

おどろくほど、おとろえていたのです……。

 

原田は、それから本気になって、ちつケアと会陰マッサージに取り組みました。

 

その結果は、まさに驚くべきものだったのです。

 

 

 

本書には、たつのさんの講義と、たつのさんの教えを実践した原田の衝撃の体験レポートを掲載。

 

コラムでは、欧米やインドで行なわれている、ちつケアや会陰マッサージの実際、ちつケアに関わる研究論文、アーユルヴェーダに伝わる女性の不調改善法や、便秘解消法、不安や緊張をやわらげるリラクゼーションなども紹介。

 

 

 

女性器だけでなく、全身の冷えを改善するオイルケアのやり方、安産になる確率をあげる会陰マッサージのやり方、骨盤底筋体操のコツなど、すべてを、わかりやすいイラストにしました。

 

 

 

日本人女性の…

 

c o n t e n t s

 

 

 

本書をお買い上げくださったみなさまへ………3

 

 

 

〈第1章〉

 

女性器について知る──女性は、すべての穴をケアしなければならない………15

 

 ▼目や鼻は、女性器とつながっている

 

 ▼膣は、ケアをしないと干からびる!

 

 ▼女性器の乾燥がもたらす、セックスよりもっと困った問題

 

 ▼オイルケアで、膣も心もやわらかくなる!?

 

 ▼私の大陰唇や小陰唇、しなびて小さくなっていました

 

  欧米ではあたりまえ? YouTubeにアップされた会陰マッサージの画像―ヨーロッパ

 

 

 

〈第2章〉

 

女性器劣化はこうして起きる──あなたの膣は、大丈夫ですか? ………41

 

 ▼日本人女性の?産む力?は、弱くなっている

 

 ▼膣や会陰が冷える原因

 

   ブルーライト/夜更かし/ストレスや緊張/冷え症/体に負担をかける食事

 

   砂糖の摂りすぎ/セックスレス/呼吸が浅い

 

 ▼ここを見れば、膣や会陰が冷えているかどうかがわかる

 

   頭皮の状態/足の裏の状態/お尻の形

 

 ▼原田の告白―

 

 

 

〈第3章〉

 

劣化によって起こる諸問題──女性器がおとろえるとどうなるの? ………79

 

 ▼健康な女性器と、おとろえた女性器はこんなに違う

 

  欧米ではあたりまえ? スーパーのレジ横に膣の保湿剤がずらり─イタリア

 

 ▼女性器が乾いたり硬くなったりすると、こんな問題が起きる

 

   黒ずみ/におい/おりもの/かゆみ/生理痛/痔/性欲低下・不感症/尿もれ・頻尿

 

   便秘/便もれ/性交痛・膣萎縮/尿道瘤・膀胱瘤・子宮下垂・直腸瘤/骨盤臓器脱

 

 ▼原田の告白―

 

 

 

〈第4章〉

 

セルフケアについて知る──準備するもの………117

 

 ▼究極のアンチエイジング

 

   1 オイルケア入浴と、なで洗い 2 会陰マッサージ 3 骨盤底筋体操

 

 ▼3つのセルフケアを行うために準備するもの

 

  欧米ではあたりまえ? 膣の若返りクリーム、手作りレシピ―アメリカ1

 

 

 

〈第5章〉

 

セルフケア 実技編──さあ、やってみよう! ………147

 

 ▼まずは頭部から

 

   口のオイルケア/頭のオイルケア/耳のオイルケア

 

   鼻のオイルケア/顔のオイルケア/目のオイルケア

 

 ▼オイルケア入浴(全身のオイルケア)と、なで洗い

 

 ▼会陰マッサージ

 

  欧米ではあたりまえ? ヴァギナ・リニューアル・プログラム―アメリカ2

 

 ▼骨盤底筋体操

 

  欧米ではあたりまえ? それでも自分の膣にはさわりたくない!?―日本

 

 

 

〈第6章〉

 

体験レポート──衝撃の連続! ここまで変わる………191

 

 ▼恥ずかしながらの、体験告白

 

 ▼膣のトレーニンググッズで泣く

 

 ▼会陰マッサージでスーパー便秘(直腸瘤)克服!

 

 ▼おそそをあげて! 翡翠の卵と骨盤底筋体操で子宮下垂克服!

 

 ▼性的機能回復! 恥ずかしながら、濡れました!

 

 ▼巻き爪まで完治

 

 ▼5000年の歴史! インドで行われている女性器のオイルケア

 

 

 

おわりに………234

 

たつの ゆりこ[タツノ ユリコ]
1960年、鹿児島県生まれ。助産師・鍼灸師・看護師。北里大学病院(産科新生児室)、日大板
橋病院(産科/ICU・CCU)、山西助産所など、大学病院から助産院、自宅出産介助まで幅
広い業務経験を持ち、東洋医学、アーユルヴェーダの知識を活かして活躍。現在、「Be born
助産院・産後養生院」院長として、お産の介助、出産前後の女性の心身のケアを行なってい
るだけでなく、「伝統医学応用研究所」を立ち上げ、女性のこころと体についての勉強会な
どを開催している。著書に『赤ちゃんにもママにも本当に大切な 産前産後7週間の過ごし
方』(ブルーロータスパブリッシング〈インプレス〉)がある。

 

原田 純[ハラダ ジュン]
1954年、東京生まれ。編集者。15歳で和光学園高校中退。1980年、長女出産。印刷会社に勤務ののち、職業訓練校で学び、版下製作会社に勤務。1989年、径書房に入社。現在、径書房代表取締役。著書に『ねじれた家 帰り
たくない家』(講談社)、岸田秀氏との対談『親の毒 親の呪縛』(大和書房)がある。